各種Webサービスを利用するなかで、本人確認のために送られてくるSMS(ショートメッセージ)が届かず、手続きが先に進まなくなった経験がある人も多いのではないでしょうか。特に、大事な契約や、急ぎの支払いが必要な場面では、思っている以上に焦りやストレスを感じてしまうものです。
こうした困りごとを解消するために、この記事ではSMSが届かないときに考えられる原因を通信の仕組みを踏まえながら整理し、状況に応じた対処法をわかりやすく解説します。
また、一時的な不具合への対応だけでなく、通信環境そのものを見直すことで同じトラブルを繰り返さないようにする方法についてもご紹介します。
1 そもそもSMSとは
「SMS(ショートメッセージサービス)」は、電話番号を宛先として活用し短いテキストメッセージを送受信できる仕組みです。LINEやメールのようにインターネット回線を使うサービスとは異なり、携帯電話の音声通話回線をベースに動作しています。そのため、特別なアプリを入れなくても使用が可能で、スマホだけでなく、従来型の携帯電話でも利用できる通信手段として1990年代から長く使われてきました。
電話番号は個人にひもづく情報であり、メールなどと比較してなりすましが難しいと考えられていることから、近年、セキュリティ対策の一環として本人認証や二段階認証といった用途で使われる場面が増えています。
「SMSが届かない」という問題は、単にメッセージが受信できないというだけでなく、サービスの利用そのものができなくなるというトラブルも引き起こします。
2 SMSが届かないときのよくある原因と対応策
SMSが届かない理由は、通信環境や端末の設定、契約内容などさまざまな要因が考えられます。ここでは、実際によくある原因を取り上げながら、それぞれがSMSの受信にどのような影響を与えるのかを解説します。
電波状況が不安定・圏外
先述のとおり、SMSは携帯電話の電波を使って送受信されるため、電波状況の影響を受けやすいという特徴があります。たとえば、地下や建物の奥、周囲に高層ビルが多い場所では、通信が不安定になり、SMSがすぐに届かなかったり、受信できなかったりすることがあります。
Webサービスの本人認証の場面では、SMSで届いたコードを一定時間内に入力する必要があるため、SMSの受信が遅れてしまうと認証が失敗してしまう場合もあります。まずは現在の電波状況を確認し、通信が安定しやすい場所へ移動してから、あらためて試してみるとよいでしょう。
機内モードがONになっている
機内モードは通信を一時的に遮断できる便利な機能ですが、知らないうちにONのままになっていることもあります。映画鑑賞や飛行機での移動など機内モードが必要な場面や、バッテリーを節約する目的で設定をONに切り替えたあと、そのままOFFにするのを忘れてしまうケースも少なくありません。
機内モードが有効な状態では、音声通話回線も使えなくなるため、SMSは受信できません。SMSが届かないと感じたときは、通信設定を開いて、機内モードがOFFになっているかを一度確認してみましょう。
音声SIMではない/SMSオプション未加入
利用しているSIMのプランによっては、そもそもSMS機能がついていないことがあります。例えば、データ通信専用SIMは、SMS機能はオプションとなっている場合がほとんどです。
音声通話に対応した音声SIMであればSMS機能を利用することができますが、(データ通信専用SIMを利用した)050の電話番号からはじまるIP電話の場合は基本的にSMSを利用できないため注意が必要です。
音声SIMを利用されている方は普段こうした違いを意識することは少ないかと思いますが、自分が利用しているSIMの種類やサービス内容を確認しておくと安心です。
回線の開通・MNPが完了していない
新しく回線を契約した直後や、電話番号を引き継ぐ形(MNP)で乗り換えた直後は、回線の切り替え処理が完全に終わるまでに時間がかかることがあります。開通後もしばらくは、通話はできてもSMS(特に認証用SMS)が届かない/遅れるなど、SMSだけ不安定になることがあります。
このような場合、端末や設定に原因があるわけではないため、少し時間を置くと解決することがほとんどです。不安な方は、案内メールや利用者向けのWebページで、回線が正式に開通しているかどうかを確認してみるとよいでしょう。
迷惑SMSフィルターやブロック設定
SMSの受信を制限するフィルター機能が初期設定で有効になっていることがあります。迷惑メッセージを防ぐ機能として便利な反面、認証用のSMSまで誤ってブロックしてしまうこともあります。特に、短い番号や海外経由で配信されるSMSは、迷惑メッセージと判定されやすい傾向があります。
自分で設定した覚えがない場合でも初期設定でフィルターがかかっていることがあるため、受信設定を一度見直しておくとよいでしょう。
VPNで接続している
セキュリティ対策としてVPNを利用している場合、通信経路が一般の回線とは異なる扱いになるため、認証処理がうまく進まないことがあります。VPNとは、離れた拠点同士を「仮想専用線」で繋ぎ通信できるようにする技術のことをいいます。特に、セキュリティ要件が比較的厳しいサービスでは、VPN接続を利用していないことが前提となっている場合もあります。
このような場合、一時的にVPNをOFFにした状態で認証を行い、手続きが完了してから再度VPNを有効にすると、問題が解消することがあります。
スマホの空き容量不足
スマホのストレージ容量が少なくなると、新たにSMSを受信できる容量がなかったり、アプリの動作が不安定になったりすることで、SMSの受信に影響が出ることがあります。
またメッセージ自体は届いていても、アプリの不具合でうまく表示されないケースも考えられます。不要な写真や動画、使っていないアプリを整理し、ある程度ストレージの空き容量を確保しておくようにしましょう。
3 SMSがどうしても届かない場合の対処法や届かないときの注意点
ここまで基本的な原因を確認してもSMSが届かない場合、設定・環境や契約プランのどこかで見落としが起きている可能性があります。
特に、セキュリティ対策として用意されている機能は、便利である一方、必要なSMSまで遮断してしまうことがあります。また、認証がうまく進まず焦っているときほど、思わぬトラブルに巻き込まれやすくなる点にも注意が必要です。
迷惑SMSをブロックするフィルターがかかっている可能性
先述のとおり、スマホには、迷惑SMSを自動的に判別して受信を制限するフィルター機能が用意されているものもあります。初期設定のまま使っている場合でも、短い番号から送られてくるSMSや海外経由で配信されるメッセージが、意図せずブロックされてしまうこともあります。本人認証用のSMSはこうした条件に当てはまりやすいため、届かない原因になりがちです。
注意したいのは、SMSのフィルター設定が端末だけとは限らない点です。端末側の設定に加えて、回線やサービス側にも同様の機能が用意されていることがあり、片方だけを確認しても問題が解消しない場合があります。
SMSがどうしても届かないときは、両方の設定を見直し、制限をゆるめたうえで、あらためて認証を試してみるとよいでしょう。
スミッシング詐欺の可能性も
SMSが本人認証に使われる機会が増える一方で、スミッシングと呼ばれるSMSを使った詐欺も増えています。
スミッシング(Smishing)とは、SMSとフィッシング(Phishing)を組み合わせた造語で、SMSのメッセージ内に偽サイトへ誘導するURLを記載し、リンク先のサイトで個人情報や口座情報などを盗み取る詐欺手口のことをいいます。
迷惑SMSをブロックするフィルター機能をゆるめてしまうと、このような詐欺を目的としたSMSを受信してしまう可能性があるため注意が必要です。認証コードが届かず手続きが進まない状態では焦りが生まれやすく、普段なら気づくような違和感を見逃してしまい、つい詐欺SMSを開いてしまうことも考えられます。
一例として、「至急対応が必要」「このままでは利用停止になる」といった強い表現で行動を促すメッセージには注意しましょう。認証がうまくいかないときほど、一度立ち止まり、そのメッセージが本当に正規のものかどうかを確認する意識を持つことが大切です。
4 SMSの代替手段は?
SMSが使えない場合でも、多くのサービスでは本人確認のための別の手段が用意されています。SMS以外で利用できる選択肢がないかを確認することで、手続きを中断せずに済むケースも少なくありません。ここでは、代表的な代替手段についてご紹介します。
メールアドレスへの認証コードの送信
SMSの代わりに、登録済みのメールアドレスへ認証コードを送信する方法は比較的よく使われています。ログインや登録の画面に「別の方法で認証する」といった選択肢が表示されている場合、メール認証を選ぶことで手続きを進められることがあります。
ただし、この方法を利用するには、あらかじめ正しいメールアドレスが登録されていることが前提です。
普段あまり使っていないアドレスを登録している場合や、迷惑メールフォルダに振り分けられている場合もあるため、メールが届かないときは受信状況をあわせて確認するとよいでしょう。
アカウントを復旧する
どうしても認証が通らず、ログインができない場合には、アカウント復旧の手続きを行うという選択肢があります。時間はかかりますが、サポート窓口を通じて本人確認を行い、利用再開につなげられるケースもあります。
SMSやメールのどちらも使えない状況では、最終的な手段として重要です。手続きに必要な情報や確認方法はサービスごとに異なるため、案内に沿って進めましょう。
5 データ通信量を見直すことで改善も
SMSは音声通話回線を使って送受信されますが、利用環境が不安定な状態では、SMS受信後にWebページ上での認証がうまく進まないことがあります。特に、日常的にデータ通信量が上限に近い状態で使っている場合や、速度制限が頻繁にかかる環境では、認証に失敗しやすくなるケースも増えます。
こうした状況が何度も続く場合は、通信環境そのものを見直すことも一つの考え方です。現在の使い方に対してデータ通信量が足りているかを確認し、必要であれば、少し余裕のあるプランへ変更することも考えましょう。
さらに、SMSが使える回線をサブとして用意しておくという選択肢もあります。メイン回線に一時的な不具合が起きても、別の番号で本人認証ができる環境があれば、手続きが完全に止まってしまう事態を避けやすくなります。費用負担の少ない回線もあるため、リスク分散という意味でも検討の余地はあるでしょう。
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