SHARPのスマホを徹底解説!最新版AQUOSのレビューも紹介

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日本の携帯電話を牽引してきたシャープ。現在はスマートフォンAQUOSにて、幅広いユーザーのニーズに応えるスマホを展開しています。ハイエンドモデルからエントリーモデルまでそろえるAQUOSの魅力を、最新モデルのレビューを交えながら紹介します。

1 黒物から白物まで家電を扱う総合家電メーカ

シャープは、テレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機、空気清浄機と様々な家電を扱っています。空気清浄機の機能として有名なプラズマクラスターも、シャープの技術です。そんなシャープから、どのようにしてAQUOSというスマホが生まれてきたのか、紐解いていきます。

シャープの名前の由来は自らが売り出したシャープペンシル

1912年創業のシャープ。その社名は、意外なことに文房具の「シャープペンシル」から来ています。というのも、シャープペンシルは戦前にシャープが作り出した文房具でした。シャープペンシルの大ヒットが、今のシャープへと続いています。

スマホのルーツはカメラ付き携帯電話

シャープのスマホへの道は、携帯電話から始まりました。シャープの携帯電話を一躍有名にしたのは、2000年に発売したカメラ付き携帯電話です。この製品が「写メ」という言葉を生み出し、今では当たり前となった携帯電話やスマホで写真を撮影する文化を作りました。

さらに携帯電話だけでなく、Androidを搭載したスマホにも日本のメーカとして初期から参入しました。

AQUOSという名前の歴史

AQUOSという名前は、スマホとテレビに使われています。この名前は2001年に液晶テレビブランドとして誕生しました。その後2006年に、ワンセグが見られる携帯電話にAQUOSの名前をつけた「AQUOSケータイ」を発表しました。ここでAQUOSは液晶テレビと携帯電話を表すブランドとなりました。

2017年、それまではキャリアごとに異なっていたスマホのシリーズ名を、現在のAQUOS RシリーズやAQUOS senseシリーズへと統一しました。

2 シャープのスマホといえばAQUOS

テレビからスマホへと拡大したAQUOSブランド。この名前は、液晶テレビ時代に作り上げた映像にこだわったシャープのイメージを携帯電話やスマホに引き継ぎました。だからこそ、スマホになったAQUOSもカメラ機能や画面が大きな特長です。

ブランドイメージを一新するデザインへ!

2024年の新モデルとして夏に登場したAQUOS R9とAQUOS wish4から、AQUOSシリーズのデザインは一新されました。新しいAQUOSのデザインを監修したのは、三宅一成氏が率いるmiyake designです。新デザインの大きな特長は、カメラを配置した自由曲線です。これにより非対称となったカメラ周りのデザインが、スマホの顔のようなイメージになりました。

このデザインによりAQUOS R9とAQUOS wish4は2024年度 グッドデザイン賞を受賞し、中でもAQUOS R9はグッドデザイン・ベスト100に選定されています。

画質エンジンProPix搭載で写真が綺麗にとれる

スマホにとってカメラは重要な機能です。携帯電話にカメラを組み合わせたシャープだからこそ、こだわりがあります。最上位のAQUOS R proシリーズは、まさにカメラのためのスマホといってよい性能ですし、それ以外のシリーズにも綺麗さと使いやすさを盛り込んだカメラを搭載しています。

それを支えているのが、AQUOS向けの画質エンジン「ProPix」です。グレードにより機能は異なりますが全てのモデルにProPixを搭載することで、どのモデルでも高画質な写真撮影が楽しめます。

AQUOS R9で撮影した写真

Pro IGZO OLED採用の明るく綺麗な画面

2024年のラインナップでは、AQUOS R9 pro/R9/sense9にPro IGZO OLEDを採用しています。OLEDとは有機ELディスプレイです。

Pro IGZO OLEDは、リフレッシュレートという1秒間に画像を更新する頻度が多く、1秒間に120回、さらに間に黒画面を挿入することで最大240回も更新しています。そのため素早い動きの映像でも、細かく描画されるので残像が残らずに綺麗な動きが見られます。また画面の明るさを示す全白輝度は、例えばR9/sense9では1,500nitです。この1,500nitのnitとは明るさを示す単位で、1nitは1カンデラ/㎡ともいい一般的なロウソク1本分の明るさです。よって1,500nitとは、ロウソク1,500本分の明るさがあるということです。それだけの明るさをスマホの画面でだせるので、直射日光にも負けずに野外で映像が楽しめます。また色の段階も細かく再現でき、明暗の差もはっきりと表現できるので、より鮮やかに映像を表示できます。

迷惑電話対策をAIがサポート

迷惑電話は最近ではより巧妙になり、毎日のようにニュースで報道されるほど日本では被害が起きています。2024年のラインナップにはこの迷惑電話からユーザーを守ってくれる機能があります。電話帳に登録していない番号から電話がかかってきた場合、スマホが応答して名前や要件を確認する機能が備わっているため、電話に出るべきかどうか判断できます。

また通話を始めてからも、AQUOSに搭載したAIが通話内容をリアルタイムで確認してくれます。そして詐欺電話が疑われる場合は通話中でも警告が出て、自動メッセージで通話を切断することもできます。また通話内容を常に録音することもできるので、通話後に誰かへ相談するときにも役立ちます。

長く日本の携帯電話マーケットを見てきたシャープの安心感

携帯電話時代から日本のマーケットに商品を提供しているシャープだからこそ、日本のユーザーが好む機能を採用し続けています。代表的なのが防水・防塵性能で、全モデルがIPX5/IPX8/IP6Xに対応しています。またアルコールシートでの除菌も可能です。

おサイフケータイ®(※)機能も全てのモデルに搭載していて、microSDカードもAQUOS R9 pro以外は利用できます。AQUOS wish4には、イヤホンジャックも搭載しています。OSのバージョンアップは、発売日から最大3回(wish4は2回)、セキュリティアップデートも発売日から5年(wish4は3年)サポートしているので、安心して長く使えるのも魅力です。

3 現在販売しているAQUOSスマホは3シリーズ

現行ラインナップはハイエンドのAQUOS Rシリーズ、スタンダードで使いやすいミドルクラスのAQUOS senseシリーズ、コスパに優れたエントリーモデルのAQUOS wishシリーズの3シリーズです。

使いやすい高性能スマホAQUOS R

AQUOS Rシリーズには、最上位モデルのR proシリーズとハイエンドモデルであるRシリーズ、2つのモデルで販売しています。

2024年末に登場したラインナップであるAQUOS R9 proは、ライカ監修の「VARIO-SUMMICRONカメラシステム」を備えた撮影機能を大幅に強化したモデルです。カメラは有効画素数 約5,030万画素のメインカメラ、望遠カメラ、広角カメラとインカメラの4つとシリーズでもっとも多く搭載しています。カメラだけではなく、高性能なプロセッサを搭載しているためゲームも快適に遊べます。スマホにとって重要な発熱対策には、本体デザインでもアクセントになっている大きなカメラリングからの放熱と、ベイパーチャンバーと呼ばれる高い熱伝達能力をもった部材を使って本体の熱を拡散する方法を組み合わせた「デュアル・サーモマネンジメントシステム」を組み込みました。

AQUOS R9は、新しいAQUOSのデザインを世に発表したモデルです。ハイエンドモデルにふさわしいproに次ぐ高性能なプロセッサに加え12GBのRAMと256GBのメモリを搭載し、十分な力を持っています。2024年に発売したAQUOSを代表するモデルだけに、この後詳しく実機レビューにて紹介します。

AQUOS R9 pro

▼ 基本スペック

画面サイズ 約6.7インチPro IGZO OLED
解像度 幅1,440px高さ3,120px
サイズ 幅約78mm×高さ約162mm×厚さ約9.3mm
重さ 約229g
メモリ RAM:12GB
ROM:512GB
バッテリー 5,000 mAh 急速充電対応
アウトカメラ メインカメラ:約5,030万画素
広角カメラ:約5,030万画素
望遠カメラ:約5,030万画素
インカメラ 約5,030万画素

AQUOS R9 proの詳細はこちらから!

AQUOS R9

▼ 基本スペック

画面サイズ 約6.5インチPro IGZO OLED
解像度 幅1,080px高さ2,340px
サイズ 幅約75mm×高さ約156mm×厚さ約8.9mm
重さ 約195g
メモリ RAM:12GB
ROM:256GB
バッテリー 5,000 mAh 急速充電対応
アウトカメラ メインカメラ:約5,030万画素
広角カメラ:約5,030万画素
インカメラ 約5,030万画素

AQUOS R9の詳細はこちらから!

手頃な価格と必要十分なスペックで誰でも使いやすいAQUOS sense

AQUOS Rシリーズより手頃な価格なのがAQUOS senseシリーズです。AQUOSの中では、ミドルクラスに位置します。

2024年モデルのAQUOS sense9は、新生デザインに加えて、カラーバリエーションも6種類( SIMフリー版は5種類)展開しています。

デザインだけでなく、ディスプレイはAQUOS R9と同じPro IGZO OLEDに進化し、ミドルクラスのなかではスペックが高い プロセッサを搭載したことでコストパフォーマンスに優れたモデルです。今回は注目のモデルとして実機をつかって詳しくレビューします。

AQUOS sense9

▼ 基本スペック

画面サイズ 約6.1インチPro IGZO OLED
解像度 幅1,080px高さ2,340px
サイズ 幅約73mm×高さ約149mm×厚さ約8.9mm
重さ 約166g
メモリ RAM:6GB/8GB
ROM:128GB/256GB
バッテリー 5,000 mAh 急速充電対応
アウトカメラ メインカメラ:約5,030万画素
広角カメラ:約5,030万画素
インカメラ 約3,200万画素

AQUOS sense9の詳細はこちらから!

必要な機能を全て備えた高いコスパのAQUOS wish

AQUOS wishシリーズは、シンプルで飾らないライフスタイルに寄り添うシリーズとして2022年に誕生した、価格を抑えたエントリーモデルです。筐体に再生プラスチックを使用し、環境に優しく誰もが使いやすいスマホを目指しています。

2024年モデルのAQUOS wish4は、サイズ大型化とmiyake design監修により、他のAQUOSシリーズと同じデザインの系譜になりました。

エントリーモデルながら、バッテリーは5,000mAhと大容量で防水性能もほかのAQUOSシリーズと同様です。またアルコール消毒やハンドソープでの洗浄もできます。耐衝撃性能としてはコンクリート上に落としても割れにくい強化ガラスも採用しています。おサイフケータイ®(※)やmicroSDカード、イヤホンジャックも備え、スマホに欲しい機能は一通り揃っているのが特長です。

AQUOS wish4は6.6インチの大画面を搭載しています。本体サイズも大きくなりますが、メニューなどはこちらのほうが大きくなり見やすい印象があります。

AQUOS wish4

▼ 基本スペック

画面サイズ 約6.6インチ液晶ディスプレイ
解像度 幅720px高さ1,612px
サイズ 幅約76mm×高さ約167mm×厚さ約8.8mm
重さ 約190g
メモリ RAM:4GB
ROM:64GB
バッテリー 5,000 mAh 急速充電対応
アウトカメラ メインカメラ:約5,010万画素
インカメラ 約800万画素

AQUOS wish4の詳細はこちらから!

4 ガラスの光沢ボディが美しいAQUOS R9の実機レビュー

スマホらしいデザインのなかに、高級感があるAQUOS R9。プロセッサやメモリもハイエンドモデルにふさわしい性能です。

艶のある光沢が美しいボディ

AQUOS R9のガラスで光沢のあるボディは、ハイエンドモデルにふさわしい上質な仕上がりです。つるつるした表面ですが、滑りやすいといったことも無くエッジも滑らかなので持ちやすい印象があります。重量は195gですが、ボディの質感にあった重さでバランスが良いと言えるでしょう。

電源と一体となった指紋センサーの使い勝手は良好です。Payトリガーという機能があり、指紋センサーを押したままにすると支払アプリやポイントアプリをすぐに起動することができます。

カメラも高画質でいろいろな撮影モードが楽しめる

メインカメラにはライカ監修のHEKTORレンズを採用しています。さらにメインカメラ、広角カメラ、インカメラ全てが5,030万画素で、標準カメラには像面位相差オートフォーカスを備えるなど、カメラ機能も充実しています。綺麗な写真が撮れるだけでなく、写真も動画も色々な撮影モードが楽しめるのも特長です。

「PROビデオ」モードで使えるシネマティックビデオで動画を撮影すると背景をぼかすことができるので、主役を際立たせる演出ができます。写真撮影モードのポートレートモードの動画版と言えるでしょう。名前の通り、映画のような動画が簡単に撮影できるので、ちょっとした日常が格好良く保存できます。

左が「PROビデオ」モード、右が通常のビデオ。PROビデオモードは手前にフォーカスが合っていますが、奥はぼやけています。通常のビデオでは全体でフォーカスが合っています。

写真撮影でも、タップして選んだ被写体をAIが動きを予測して追尾しフォーカスを合わせてくれます。強力な手ブレ補正と併せて、動きがあるターゲットをしっかりと撮影できます。子どもやペットの撮影に力を発揮してくれること、間違いなしです。またRAWデータの保存や、マニュアルモードでシャッタースピードやホワイトバランス、ISO感度を自分で決めて撮影もできるので、フォーカスをスマホに任せながらこだわりの撮影もできます。

5 軽さに衝撃、AQUOS sense9の実機レビュー

市場でも人気の高いミドルクラス。その中でも常に注目されるAQUOS senseシリーズの最新モデルだけに、デザインや質感に価格以上のものを感じられます。

持った瞬間にわかる、軽さと持ちやすさ

AQUOS sense9をキッチンスケールで測ってみると166gありました。最近のスマホの中では軽量な部類です。

手触りはマットで、汚れも着きにくいうえにさらっとしていて心地よく、手に当たる部分に角がなくて優しい印象があります。

AQUOS R9とAQUOS sense9を重ねてみると、下にあるAQUOS sense9が一回り小さいことがわかります。

カラーバリエーションの豊富さは自分が気に入ったモノを見つけられる

カラーバリエーションが6種類( SIMフリー版は5種類)と豊富なのも、AQUOS sense9の特長です。自分好みのカラーを楽しめます。

指紋センサーは電源ボタンと一体化したタイプです。指紋センサーに登録するPayトリガー機能を使えば、QRコード決済やポイントカードも直ぐに使えて便利です。

従来よりも強化された音と映像

AQUOS sense9からスピーカーがモノラルからステレオに変更になったことで、本体で動画を見ていても臨場感がアップしました。一方で、従来まであったイヤホンジャックは廃止されています。

ディスプレイは、IGZO OLEDからAQUOS Rシリーズと同じPro IGZO OLEDへとパワーアップしたことで、明るく滑らかになりました。動画を見たりして映像を楽しむときだけでなく、明るい場所でも画面が見やすくなったので写真撮影もより快適です。

強くなった手ブレ補正で動画撮影が快適に

電子式手ブレ補正を搭載し、光学式手ブレ補正と併せて動画撮影では特に力を発揮します。歩きながら撮影しても、滑らかで安定した動画ができあがるので、手軽に撮影が楽しめます。

6 基本機能はどのモデルでも安心、あとはカメラ機能と処理能力で選ぶ

AQUOSは、どのシリーズでもスマホに必要な基本機能は備わっています。もちろん価格帯によるスペックの違いはありますが、スマホの基本機能が無くて困る、ということはありません。一番大きな違いは、カメラ機能とプロセッサの力なので、この2つを軸にあとはデザインや持ちやすさがポイントとなります。

予算を惜しまずカメラ機能にこだわる方にはAQUOS R9 pro

AQUOSスマホシリーズの頂点であるAQUOS R9 proは、ハイスペックを求める方にもオススメですが、何よりもカメラ機能にこだわる方にこそ手に取って貰いたいモデルです。その見た目は、メイン・広角・望遠カメラをまとめたカメラ部分が1つの大きなレンズのように見え、スマホというよりもカメラのようです。見た目だけでなく、ライカ監修のカメラシステムやシャッターボタンなど、カメラとしてつかって満足できる要素が充実しています。

かわいらしさと使いやすさどちらも欲しいならAQUOS sense9

AQUOS sense9の軽くてコンパクトな持ちやすさと豊富なカラーバリエーション、質感の高いボディはミドルクラスの中でも上位です。機能も必要十分に備えていて、普段使いするのに不満が出ることは無いでしょう。最近のスマホが大きくて持ちにくい、重くて疲れると感じている方には、一度手に取って軽さを体験して欲しい機種です。

ワンランク上のスマホを求めるならAQUOS R9

スマホとしての上質さを求めるなら、AQUOS R9がオススメです。AQUOS R9は、光沢のあるガラスボディと愛らしいカメラユニットの新デザインで、高級感あるスマホとして落ち着いています。3Dゲームまでこなせるスペックでスマホを使い倒す方も満足できるでしょう。

スマホデビューに最適なAQUOS wish4

一番価格が安いAQUOS wish4は、スマホデビューに十分な性能を持ち、防水・防塵性能やおサイフケータイ®(※)、指紋認証とスマホの安心・快適装備はミドルクラスと同様にしっかりと備えています。そのため、はじめてスマホを使ってみる方や基本機能が使えれば十分というライトユーザーにオススメです。かんたんモードを使えば、スマホの操作が複雑だと不安な方でも機能がシンプルなので使いやすいモデルです。

※ 『おサイフケータイ』は株式会社NTTドコモの登録商標です