arrows Alphaは、FCNTが2025年8月に発売した準ハイエンドモデルです。
高品質なディスプレイや急速充電機能を備え、準ハイエンドモデルとしての完成度を高めています。
さらに、独自のarrows AIは写真撮影だけでなく、文章作成や通知機能など、日常のさまざまな場面でユーザをサポートします。
スマートなデザインながら、高い耐久性を兼ね備えているのも大きな特長です。
今回は、このarrows Alphaを実際に使用し、その使い勝手を検証しました。次に購入するスマートフォン選びの参考にしてみてください。
1 arrows Alphaとは?
FCNTが展開するarrowsシリーズには、エントリーモデルのarrows We2やミドルレンジモデルのarrows We2 Plusなど、幅広いラインアップがあります。
その中でarrows Alphaは、これらの上位に位置する新たな準ハイエンドモデルとして登場しました。
arrows We2が液晶ディスプレイを採用しているのに対し、arrows We2 Plusは自発光方式の有機ELディスプレイを搭載しています。また、インカメラの画素数やバッテリー容量でもarrows We2 Plusが優れています。
一方で、arrows Alphaはアウトカメラ・インカメラの性能、チップの処理速度、充電性能のいずれの面でもarrows We2 Plusを上回り、高性能と高耐久性を両立した長く使えるモデルに仕上がっています。
特筆すべきは、インカメラの画素数が約4,990万画素と、アウトカメラに匹敵する点です。
このクラスのスマートフォンでは非常に珍しく、自撮りを重視するユーザにとって大きな魅力となるでしょう。
arrows Alphaは、初代ARROWSのスマートフォンから受け継がれている「ヒューマンセントリック」という思想に基づいて設計されています。ヒューマンセントリックとは、人間中心に実際の利用シーンを考えた際に、デバイス・機能はどうあるべきかという観点から生まれた考え方です。この思想は、arrows Alphaの様々な機能やデザインに反映されており、ユーザが本当に使いやすいスマートフォンを実現しています。
2 arrows Alphaの特長を確認!
arrows Alphaの主な仕様を、各項目別に解説します。arrows Alphaに搭載された「arrows AI forカメラ」や、「ハンドソープでの洗浄にも対応する防水防塵性能」は、次の段落でさらに詳しく説明します。
| OS | Android 15(最大3回のOSアップデート保証) |
|---|---|
| プロセッサ | Dimensity 8350 Extreme オクタコア(3.35GHz+3.2GHz+2.2GHz) |
| ストレージ(ROM) | 512GB |
| 外部メモリ | 最大2TBのmicroSDXCカードが利用可能 |
| メモリ(RAM) | 12GB |
| 生体認証 | 指紋認証 / 顔認証 |
| ディスプレイサイズ | 約6.4インチ 有機EL |
| ディスプレイリフレッシュレート | 最大144Hz |
| アウトカメラ(メイン) | 広角:約5,030万画素(f1.8、1/1.5インチイメージセンサー) 超広角:約4,990万画素(f2.05、1/2.7インチイメージセンサー、視野角120°) |
| インカメラ | 約4,990万画素(f2.0、1/2.7インチイメージセンサー) |
| バッテリー容量 | 5,000mAh |
| 充電 | 90W急速充電:Power Delivery (Revision 3.0) |
| 外部接続端子 | USB-C端子 (USB3.1 Super Speed) |
| スピーカー | ステレオ |
| 本体カラー | ブラック ホワイト |
| 外寸 | 高さ:約156mm 幅:約72mm 厚さ:約8.8mm |
| 重さ | 約188g |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4規格対応 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
| NFC | おサイフケータイ対応 |
| SIMタイプカードスロット | nanoSIM / eSIM(nanoSIM+eSIM または eSIM×2) |
| 防水防塵 | IPX6 / IPX8 / IPX9 / IP6X |
| MIL規格 | MIL-STD-810H準拠(耐衝撃) |
| ハイレゾ対応 | 対応 |
| AI機能 | arrows AI、Google Gemini |
| その他 | DisplayPort 1.4 / Miracast |
約5,000万画素の2眼アウトカメラとインカメラ
arrows Alphaには、約5,030万画素の広角アウトカメラと約4,990万画素の超広角アウトカメラを搭載。さらに、約4,990万画素の高画素インカメラも備えています。 この高性能なインカメラにより、細部まで鮮明な高画質セルフィーを撮影することが可能です。
arrows AI forカメラが写真撮影やイメージ画像作成に対応
「arrows AI for カメラ」では、ポートレート撮影時の自然なボケ表現の調整に加え、暗所でも白飛びを抑えつつ明るく自然な仕上がりを実現します。 さらに、被写体の動きに合わせて最適なシャッタースピードを自動設定するなど、AIによる撮影支援機能が充実しています。
高品質有機ELディスプレイ
arrows Alphaの6.4インチ有機ELディスプレイは、最大144Hzのリフレッシュレートに対応。 滑らかなスクロール操作や、動きの速いゲームでも残像を感じさせないクリアな映像体験が楽しめます。
512GBの大容量ストレージと12GB RAMを搭載
arrows Alphaは、本体内に512GBの大容量ストレージを搭載。さらに、microSDXCカードの利用により最大2TBを追加可能です。 また、AIの処理速度に影響するRAM(メモリ)は12GBを搭載し、処理性能を大幅に向上させています。 加えて、512GBの内蔵ストレージの一部を仮想メモリとして利用することで、追加の12GBを確保し、合計24GB相当のメモリ領域を実現しています。
90W急速充電により、最短約35分で100%充電可能
arrows Alphaには、超急速充電に対応した90W充電器が同梱されています。 実際に行った充電テストでは、約1時間未満で100%充電が完了しました。 外出前の短時間充電でも十分なバッテリーを確保できるのは大きな魅力です。
高い防水防塵性能やMIL規格準拠による世界最高水準の耐久性
スタイリッシュで洗練されたデザインながら、arrows AlphaはMIL規格準拠の高い耐久性を備えています。 落下時の衝撃にも強く、日常使用における破損や故障を防ぎます。 さらに、高い防水・防塵性能により、泡タイプのハンドソープで丸洗い可能という利便性も兼ね備えています。
3 カメラのレビュー
arrows AI forカメラを試してみた
arrows AI forカメラ機能を活用し、ボケ、超解像、暗所撮影時の明るさ調整、視覚効果を確認してみました。
ポートレートモードでは、ボケの程度を1〜6まで設定することが可能です。下記画像の左端が1、中央が3、右端が6に設定した写真です。数字が大きいほど、背景がボケるのがわかります。
超解像を標榜するarrows Alphaで、下記写真左上→左下→右と徐々に望遠倍率を上げて遠くのビルを撮影しました。
最初はよく見えない窓掃除用ゴンドラのワイヤーが、望遠倍率を上げるとぶれることなく写っており、撮影後に写真を拡大してもノイズが少ないことがわかります。
arrows Alphaは夜や室内の暗い場所などの暗所撮影にも強く、HDR機能も優れていますので、露出を補正しなくても明るい写真が撮影できます。
また、撮影した風景がミニチュアのようになる「ティルトシフト」機能が利用可能ですので、暗所撮影性能を生かして夜間のティルトシフト撮影も楽しめます。
4 ディスプレイのレビュー
ディスプレイ設計においても、幅72mmという日本人の手の大きさに合わせたサイズ設定は、ヒューマンセントリックの考え方が反映されています。片手での操作性と画面の見やすさのバランスが重視されています。
arrows Alphaは3,000nitの高輝度ディスプレイを搭載しており、明るい照明の直下でも見やすく、屋外の強い直射日光下でも表示が確認できます。
明るい室内照明の直下における、ディスプレイ輝度100%、50%、0%の状態です。実際に使う場面では、100%だと眩しいほどです。
また、最大144Hzのリフレッシュレートにより従来モデル(arrows We2 Plusなど)と比較しても、体感的な操作レスポンスが大幅に向上しています。
ブルーライトを軽減し、目の負担を和らげるEye Care Display機能も搭載しています。
5 ヒューマンセントリックに基づく機能
arrowsのヒューマンセントリックの考え方は、使い勝手を向上させる片手操作にも取り入れられています。
Exlider
Exliderは、arrowsスマートフォンで根強い人気を誇る機能です。
電源ボタンに長く触ると画面中央右にExliderが立ち上がり、電源ボタンの上で指を下にスライドすると表示画面が下にスクロール、上にスライドすると上にスクロールします。
また、電源ボタン上で指を軽くダブルタップすると、ズーム表示が可能です。
下記は、Exliderで下にスクロールし、小さい文字をダブルタップで拡大した場面です。
こうした操作が片手、それも1本の指だけでできるのは通勤電車で立っている場面などは特に便利です。




スライドインランチャー
スライドインランチャーは、画面端から指をスライドしてランチャーを起動し、その中に登録済みのアプリを素早く起動できる機能です。
ランチャーに登録するアプリや位置は、ユーザの好みに合わせて設定できます。



FASTメモ
FASTメモは、ロックを解除することなくテキスト・音声・写真でのメモ作成を実現します。
作成したメモの確認や共有、削除も指1本で操作可能です。




FASTフィンガーランチャー
FASTフィンガーランチャーは、任意の指にアプリを割り当てる機能です。任意の指の登録と識別は指紋で行われるため、ロック解除と動作が自動的に素早く行われます。
モードは、任意の指に応じた特定のアプリを起動するだけではなく、任意の指に応じたランチャー(4つのアプリを登録可)も選択できます。




6 arrows AIをレビュー
arrows AIは、ヒューマンセントリックの考え方が最も顕著に表れている機能の一つです。AIがいくら賢くても、使いこなせなければ意味がありません。2025年11月末にAI機能がアップデートされたため、一部機能を紹介します。
arrows AI、「あなたの好みを学習」でパーソナライズが進化
ユーザの嗜好を学習し、より自分向けの提案をしてくれる「あなたの好みを学習」機能が追加されました。
今回は、以下のような好みを音声入力して登録してみました。
・人混みが少なく静かなレストランが好き
・洋食より和食が好み
・ワインよりシングルモルトウイスキー派
入力後、画面上部に「入力内容は学習データとして保存されました」と表示されれば設定は完了です。
その状態で「東京駅の近くのおすすめのレストランを教えて」と再度相談してみたところ、「東京駅周辺で、人混みが少なく、和食を好まれ、シングルモルトウイスキーも楽しめるレストランをいくつかご紹介します」と、好みを反映したパーソナライズ回答が返ってきました。
実際に使ってみると、単なるAI検索ではなく、“自分のアシスタント”として寄り添ってくれる感覚が強く、日常の検索体験が大きく変わるでしょう。
arrows AI、「Perplexityで検索」
Perplexity やCopilotとの連携も可能になりました。今回はPerplexityを試してみます。
arrows AIを起動後、「Perplexityで検索」機能を利用することで、音声または文字入力から目的の情報を簡単に検索できます。
従来のように最適なキーワードを考える必要はなく、知りたい内容をそのまま伝えるだけで、arrows AIが意図を解釈し、関連性の高い結果を提示してくれました。
下記の例では、「一富士二鷹三茄子とは何でしょうか?」という質問に対して、その意味だけでなく由来まで丁寧に要約してくれています。




arrows AIで「画像を生成」
「画像を生成」機能では、「文章で画像を生成」と「写真から壁紙を生成」の2種類を利用できます。
「文章で画像を生成」は、作りたい画像の内容を文章で説明することで、AIがそれに合ったイメージを生成してくれる機能です。
下記の例では、「一富士二鷹三茄子」の画像を生成するよう指示した結果を示しています。



一方、「写真から壁紙を生成」は、撮影した写真をそのまま壁紙サイズに加工するのではなく、写真の印象や構図からAIが最適なデザインを生成します。
今回は観葉植物の写真をもとに生成したところ、葉脈のパターンをモチーフにした壁紙が自動的に生成されました。



arrows AIで利用可能な豊富な機能
上記以外にも、次のような機能が搭載されています。
・録音した音声を自動で要約する「録音して要約」
・いつでも自然な形で質問できる「質問・検索」
・通知を自動で整理してくれる「通知を要約」
これらの機能によって、arrows AIは日常のあらゆるシーンでユーザの効率化と快適さを支援してくれます。





7 高い防水防塵性能とMIL規格準拠による耐久性を試してみた
arrows Alphaの製品ページでも案内されている泡タイプのハンドソープを使用した丸洗いを実際に行ってみました。
泡タイプのハンドソープをarrows Alphaの正面と裏面につけ、洗浄してみました。
洗浄後は、arrows Alphaを水道水ですすぎます。公式ページの説明通り、受話口、セカンドマイク、底面の送話口やUSB端子周辺などは念入りに水道水ですすぎます。
洗浄後は、水滴が出なくなるまで本体を振って水抜きを行い、最後にタオルで拭いて仕上げます。
乾燥後の動作確認も問題なく、清潔になりました。
ハンドソープで洗うことで、使用に伴って付着する皮脂汚れなどを除去できます。
例えば、購入直後ではなくある程度使用した後に保護ガラスを貼り付けようとする場合など、ディスプレイの汚れを念入りに除去する方法としても有効でしょう。
8 90W急速充電時間の実力を確認
arrows Alphaは、同梱されている充電器とUSB-Cケーブルを用いることで90W急速充電が可能です。バッテリー残量0%の状態から90W急速充電を開始した結果、100%になるまでに要する時間はわずか44分でした。
急速充電に対応しているスマートフォンでも、バッテリー残量100%に近づくと充電速度が低下する(バッテリー残量の増加が緩やかになる)モデルが多く見受けられますが、arrows Alphaは90%を超えてもそれまでとほぼ同じ速度で充電されました。
9 arrows Alphaの販売価格
2025年10月現在、IIJmioでのarrows Alphaの通常価格は、一括払いなら84,800円、24回分割払いなら月々税込3,543円です。
さらに、IIJmioが実施するキャンペーン期間中であれば、よりお得な価格で購入できます。
詳しくは以下からご確認ください!