デュアルSIMとは?メリット・デメリットや活用方法を解説

記事メイン画像

スマホが2台あると「プライベート用」のほかに「仕事用」「キャンペーン応募用」などで使い分けられて便利ですが、持ち運びや充電の手間も2台分になってしまいます。そんなときに便利なのが「デュアルSIM」という仕組み。1台のスマホで2回線を使える方法です。デュアルSIMの導入方法や、メリット・デメリットについて解説します。
※仕事で利用する場合、IIJmioのように法人名義での契約を受け付けていない事業者もあるので注意が必要です。

1 デュアルSIMとは?

記事画像

「デュアルSIM」とは、1台のスマホに2つのSIMをセットして利用できる機能です。“デュアル(dual)”には、「二重の/二つの」のという意味があります。

SIM(Subscriber Identity Module)とは、電話番号や識別番号などの利用者情報が書き込まれた装置です。SIMには、小型ICカード型の「SIMカード」と、スマホ本体のICチップにデータを書き加えることができる「eSIM(イーシム)」があります。

【こちらの記事もおすすめ】
eSIMとは?メリット/デメリットや対応機種を解説

デュアルSIMにすると、1台のスマホで異なる2つのキャリアやプランの回線を使えるようになります。もちろん、電話番号も2つ分用意することが可能です。
セットする2つのSIMは以下のように、複数の組み合わせが可能です。 SIMカード+eSIM eSIM+eSIM SIMカード+SIMカード なお、どの組み合わせでセットできるかはスマホの機種によって異なります。

記事画像
デュアルSIMでのSIM組み合わせ例

2 デュアルSIMの種類は4つ

デュアルSIMには、スマホが2つのSIMをどのように認識するかによって、4つの種類(方式)があります。それぞれの方式について解説します。

通話の
自動切り替え
通話中の
データ通信
同時利用
通信回線
DSSS(
デュアルSIM
シングル
スタンバイ)
× × 4G/5G
DSDS(
デュアルSIM
デュアル
スタンバイ)
× 4G/5G+3G
DSDV(
デュアルSIM
デュアル
VoLTE)
× 4G/5G+4G/5G
DSDA(
デュアルSIM
デュアル
アクティブ)
4G/5G+4G/5G

DSSS(デュアルSIM シングルスタンバイ)

DSSSは、2つSIMのうち、通話やデータ通信が片方のみ使用できる方式です。もう一方のSIMを使用するには手動で切り替える必要があります。待ち受け状態では1つの回線しか利用できないため、もう一方のSIMでの着信やデータ通信はできません。

DSDS(デュアルSIM デュアルスタンバイ)

DSDSは、両方のSIMカードが同時に待ち受け状態になります。そのため、SIMを変更せずともどちらの電話番号でも着信が可能です 。片方のSIMで通話中でも、もう片方のSIMで着信を受けることができます。ただし、一方の SIM で通話をすると、片方の SIM では通信ができません。また、片方のSIMが4Gまたは5G回線を使用している場合、もう一方のSIMは3G回線を使用することになります。

なお、KDDI(au)は2022年に、ソフトバンクは2024年に3G回線のサービスを終了しています。ドコモも2026年に終了する予定です。

DSDV(デュアルSIM デュアルVoLTE)

DSDVは、DSDSをパワーアップさせた方式です。VoLTE(Voice over Long Term Evolution)とは、LTE回線を利用した音声通話サービスです。従来の3G回線での通話よりも高音質になります。基本的な機能はDSDSと変わりませんが、片方のSIMを利用中でも、もう一方のSIMで4Gまたは5G回線を利用できます。ただし、片方の SIM で通話をするともう一方の SIM で通話やデータ通信ができない点は DSDS と同じです。

DSDA(デュアルSIM デュアルアクティブ)

DSDAは、2枚のSIMカードが同時に待ち受け状態になり、どちらの電話番号にも着信が可能な方式です。さらに、片方のSIMで通話中でも、もう片方のSIMでデータ通信や通話が可能です。通話中にメールやメッセージを受信したり、ブラウザを開いて調べ物をしたりすることができます。

3 デュアルSIMのメリット

続いて、デュアルSIMにすることによるメリットを解説します。

もしもの時に通信回線を切り替えられる

デュアルSIMにすれば、片方のキャリアで通信障害が発生しても、もう一方のキャリアの回線を利用することで、通信を続けることができます。また、人が多い場所や地下などネットが繋がりにくい場所でも、別の回線に切り替えることで、繋がる場合もあります。

1台のスマホで2つの電話番号が使える

デュアルSIMにすると、1台のスマホで電話番号を2つ持つことができます。そのため、例えば「仕事用」や「プライベート用」に分けることも可能です。また、デュアルSIMなら持ち歩くスマホは1台で済むので、管理も楽になります。 ※仕事で利用する場合、IIJmioのように法人名義での契約を受け付けていない事業者もあるので注意が必要です。

音声回線とデータ回線で使い分けられる

通話用の音声回線と、通信用のデータ回線で使い分けるという方法もあります。各通信会社では複数のプランが用意されています。中には別々の会社のプランを組み合わせることで月額料金を安く使えることも可能です。

たとえば電話はあまり使わないけど、SNSや動画でたくさんデータを使う方を想定してみましょう。この方の場合、A社の音声回線と、B社のデータ回線を併用することで、「A社のみ」「B社のみ」よりも月額料金が安くなるパターンが考えられます。

4 デュアルSIMのデメリット・注意点

便利なデュアルSIMですが、注意しておきたいポイントもあります。

SIMとスマホに互換性がない場合がある

すべてのスマホがデュアルSIMに対応しているわけではありません 。また、対応している場合でも、特定のネットワークや周波数帯に制限があることがあります。たとえば、片方のSIMには対応していても、もう片方は周波数帯が対応していない場合があります。

一部のスマホではmicroSDカードの使用に制限がかかる

一部のデュアルSIM対応スマホでは、2つ目のSIMスロットがmicroSDカードスロットと兼用になっているため、microSDカードが使用できなくなることがあります。これにより、写真や動画などを大量に保存する場合、容量の確保ができなくなります

デュアルSIMとSDカードをどちらも活用したい方は、以下のスマホを選ぶと良いでしょう。 eSIM対応のスマホ トリプルスロットタイプ(SDカードとSIMカード2枚を同時に差し込める)のスマホ また、SDカードの代わりに、iCloudやGoogle ドライブなどオンラインストレージサービスの利用も検討してみましょう。

設定がやや複雑

2台持ちなら、それぞれの端末でSIMの設定をすればいいだけですが、デュアルSIMの場合には1台で「1つめのSIM」と「2つめのSIM」の設定をする必要があります。また、利用しているSIMが2つとも音声タイプの場合、「電話をかけるにはどちらのSIM(電話番号)で発信するか」「データ通信にはどのSIMを使うか」といった切り替え設定も必要な場合があり、その場合は2台持ちよりは利用手順がやや複雑になることもあります
※iPhoneなどの端末では「電話をかけるにはどちらのSIM(電話番号)で発信するか」を電話アプリの発信画面などでスムーズに切り替えができるものもあります。

5 デュアルSIMおすすめの組み合わせ

デュアルSIMを導入する際に重要なのは、「どのキャリアやプランを組み合わせるか」ということです。

SIMには、以下のタイプに分類できます。 「音声」タイプ:音声通話とSMS、データ通信の全てが可能 「データ」タイプ:データ通信のみが可能 「SMS」タイプ:データ通信とSMSの可能 例えば「2つの電話番号を使い分けて、それぞれで通話したい」ということであれば、2回線とも音声タイプにする必要があります。

いっぽうで、「片方はデータ通信にしか使わない」ということであれば、音声タイプとデータタイプを組み合わせるといいでしょう。

例えばこんな組み合わせ方がおすすめです。

大手キャリアの提供するサービスを利用しつつ費用を抑えたいなら…
「通話は大手キャリア+データ通信は格安SIM」がオススメ!

大手キャリアの音声タイプのプランを契約しているけれど、データ通信を使うことが多くて毎月追加のデータ量を購入している…という方!デュアルSIMを活用して、データ通信だけ格安SIMのプランを契約するのがオススメです。

格安SIMには、大手キャリアよりも手頃な月額料金で大容量通信が可能なプランが用意されています。大手キャリアが提供している「メールアドレス」「家族割引などのセット割」といったサービスをキープしつつ、おトクにデータ通信も使える賢い選択ですよ。

とにかく月額費用を安く抑えたいなら…
「格安SIMの音声タイプのプラン+格安SIMのデータプランが」オススメ!

毎月の利用料金をとにかく安くしたい場合は、格安SIMの音声タイプのプラン(月々のデータ容量は最低限のプラン)と、格安SIMのデータタイプのプランを組み合わせるのがオススメです。かけ放題など通話が安いプランと、データ通信が安いプランを選んで組み合わせましょう。

IIJmioなら用途に合わせておトクな組み合わせが選択できる

IIJmioの大きな特長は、「IIJmioギガプラン」なら「音声タイプかデータタイプか」「SIMカードかeSIMか」「月々何ギガまで使えるか」「ドコモ網かau網か」を自由に組み合わせられるということ。

そのため、「IIJmioだけで2回線」はもちろん、「IIJmioと他社」でも用途に合わせたおトクな組み合わせ方もできるのです。

ここではIIJmioギガプランならではの、オススメ組み合わせ例を紹介しましょう。

「ギガプラン」の詳細はこちら
IIJmioモバイルサービス ギガプラン


大手キャリアの音声SIM+IIJmioのデータeSIMを組み合わせ
→毎月データ容量が足りない方に。

すでに大手キャリアの音声タイプのプランを契約していてデータ量不足に悩んでいる方には、IIJmioギガプランのデータタイプのプランの組み合わせがおすすめ。例えば「データeSIM」の2ギガプランなら、月額税込440円!キャリアの追加データ購入よりお得な場合があります。
2ギガプラン~55ギガプランまであり、上限のデータ量を自身に合わせて細かく選べるので、無駄なく利用することができます。データタイプのプランとしては珍しく、eSIMが選択できるのも便利です。

記事画像

IIJmioのデータeSIM月額料金

大手キャリアやIIJmioの音声SIM(ドコモ網など)+IIJmioの音声eSIM(au網)の組み合わせ
→通信障害でも安心!

電話もネットもできる音声SIM同士の組み合わせ、例えば「キャリアやIIJmioの音声SIM(SIMカード)」と「音声eSIM」をご利用いただくことができます。IIJmioの音声SIM、または音声eSIMなら2ギガプランで月額税込850円、5ギガでも月額税込950円と低価格! 音声通話を多く利用する方は、通話定額オプション(有償)を追加して通話をかけ放題にすることもできます。

IIJmioの音声eSIM+IIJmioのデータeSIM
→最短即日利用開始&料金もおトクに!

IIJmioギガプランでは、音声eSIMとデータeSIM(ドコモ網のみ)の組み合わせもできます。
2回線ともeSIMにすることで、オンライン申し込みでも最短即日での利用開始が可能。忙しくてなかなかショップに行けないという方にもオススメです。料金面でも、キャリアの音声SIMと組み合わせる場合よりも、全体的にお手頃になる場合が多いです。

ドコモ回線も対応!音声eSIM【ギガプラン】 ドコモ回線も対応!音声eSIM【ギガプラン】

6 デュアルSIM対応端末を調べる方法

手持ちのスマホや、購入を検討しているスマホの対応状況を調べるには、端末メーカー公式サイトや格安SIM事業者のサイトをチェックしましょう。 すると、
「使用できるSIMカードの大きさと枚数」 「eSIM対応かどうか」 などを調べることができます。

以下のリンクに、主なスマホでのデュアルSIM対応情報があります。
自分の持っているスマホはデュアルSIM対応?
調べる方法はこちら