防水性能を示す「IP保護等級(IPX)」とは?おすすめのスマホも紹介!

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普段お使いのスマホの防水性能をご存じでしょうか。何気なく使っているスマホですが、防水性能は等級(条件)が機種によって異なります。ちょっとした水滴までなら大丈夫なものもあれば、水没しても使えるものなど、IPコード(IP保護等級)という基準があるのです。

スマホを調べていると、サイズや重量、内蔵メモリやカメラの性能などと並び、「IPX5」や「IP6X」、「IP52」という記載がされています。この数字がその機種の保護等級です。

本記事では、IPコードの基本的な知識や各数字の意味を解説。その他、等級が高くても注意すべき点や、防水性能が高いおすすめのスマホを紹介します。

1 IP保護等級とは?

「IP〇〇」という表記は、電子機器に対する防水・防塵(ぼうじん)性能の等級になります。「IP(International Protection)コード」、または「IP保護等級」と呼ばれていて、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)という国際的な機関が定めている規格です。日本では、日本産業企画(JIS:Japanese Industrial Standards:)が「JIS C 0920」で定めています。

防水性能はその名前の通り、水の侵入、防塵性能は砂やホコリ、ゴミなどの侵入に対する保護性能です。IP保護等級は「IP+(数字)+(数字)」表記され、防塵性能は「IP」の一つ後ろの数字が当てはまり、防水性能は二つ後ろの数字が当てはまります。

IP保護等級は、防水・防塵どちらか一方の性能のみを表記するパターンと、両方を表記するパターンの2通りがあります。防水性能だけを表す場合は「IPX8」、防塵性能だけを表す場合は「IP6X」と記載されます。防水・防塵どちらの性能も記載する場合は「「IP68」です。

表記についてはメーカーや販売店・サイトによって異なっており、防塵性能が6、防水性能が8の場合、「IP68」と表記されていたり、「IP6X」と「IPX8」が別々で表記されているケースもあります。

2 防水性能は水滴から潜水まで9段階

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防水性能については、0から8までの等級があります。

保護等級 保護のレベル
0

・保護がない

1

・鉛直(水平面に対して垂直)に落ちる水滴によって、有害な影響を受けない。

2

・鉛直から15度以内の範囲で落ちてくる水滴によって、有害な影響を受けない。

3

・鉛直から60度以内の範囲で落ちてくる、霧状の水(散水)によって、有害な影響を受けない。

4

・あらゆる方向からの水の飛まつによって、有害な影響を受けない。

5

・あらゆる方向からの噴流水(ノズルから出る流水)による有害な影響を受けない。

6

・あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響を受けない。

7

・一定の水圧である水中へ一時的に沈めても、有害な影響を受けない。

8

・7より厳しい条件で、継続的に水に沈めても有害な影響を受けない。

※「JIS C 0920」より作成

大きく分類すると、1~4は水滴・飛まつ、5~6は流水、7~8は潜水(水没)に関する等級と言えるでしょう。流水と水没は条件が異なるため、どちらの試験にも対応したスマホもあり、その場合は「IPX5/IPX8」のように両方記載されます。

IPX8 が最も防水性能が高い等級になります。さらにそれ以上の試験をメーカーが独自に実施して、防水性能を高めている機種もあります。

3 防塵等級は7段階

防塵性能は、0から6まで7つ等級があります。

保護等級 保護のレベル
0

・保護がない。

1

・直径50mm以上の固形物の侵入から保護する。

・こぶしが危険な箇所へ接近しないための保護がある。

2

・直径12.5mm以上の固形物の侵入から保護する。

・指が危険な箇所へ接近しないための保護がある。

3

・直径2.5mm以上の固形物の侵入から保護する。

・工具が危険な箇所へ接近しないための保護がある。

4

・直径1.0mm以上の固形物の侵入から保護する。

・針金が危険な箇所に接近しないための保護がある。

5

・砂やチリ、ホコリなどの侵入を完全に防止できないが、所定の動作や安全性を阻害する量の侵入から保護する。

・針金が危険な箇所に接近しないための保護がある。

6

・砂やチリ、ホコリなどの侵入から保護する。

・針金が危険な箇所に接近しないための保護がある。

※「JIS C 0920」より作成

最近のスマホは、IP5X以上であることが比較的多いです。

4 IP等級が高くても、使用には注意が必要!

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IP等級が高いスマホでも、故障が起こらないわけではありません。IP等級が高くても、注意が必要な理由を見ていきましょう。

日常生活とテスト条件の違い

IP保護等級は、特定の条件が整った試験で測定されますが、試験の環境と日常生活で使う環境は異なります。

例えば防水性能は通常、常温の真水を基準にしていますが、塩水や石鹸水、温泉や熱湯など、他の液体では異なる影響を受ける可能性があります。そのため、IPXが高いからと言ってお風呂で使っても大丈夫というわけではないのです。

デバイスの劣化

時間と共にスマホは劣化します。耐水シールが劣化したり、物理的なダメージ(例えば、落下や衝撃)があったりすると、防水・防塵性能が低下する可能性があります。そのため、当初のIP等級が維持されない場合があります。

基準がメーカー・販売店によって異なる

性能としての基準はIP等級で知ることはできますが、どの等級からが「防水対応」と名乗れるか、については基準がありません。IPX4を「防水対応」としている販売店もあれば、IPX7以上を「防水対応」としている販売店もあります。そのため、「IPX〇」だから安心!ではないという点には注意が必要です。また、IP等級が高くない場合、「生活防水」や「防滴(ぼうてき)」と表記されるスマホもありますが、この基準も定義されているわけではありません。

防水性能を重視するならIPX8

防水性能を重視する場合、IPX8のスマホがおすすめです。この等級は、防水等級の中で最高レベルの保護性能であるため、日常生活では安心して使用できます。

より高い保護性能のスマホを求めている方はIPX8に加え、MIL規格に準拠したスマホや、メーカー独自のテストを通ったスマホをおすすめします。

5 防水性の高い、おすすめのスマホ

最後に、現在IIJmioで販売しているスマホの中から、防水性の高い機種をご紹介します。

1. motorola edge 50 pro

まずご紹介するのが、Motorolaが販売する「 motolora edge 50 pro」です。この端末はIP等級における防水・防塵性能最大のIP68を備えています。さらに、このmotorola edge 50 proには、AI搭載カメラも備わっており、手ぶれや白飛びを自動で補正してくれます。

スペックの詳細はこちらから!

2. arrows We2 Plus

FCNTが販売する「arrows We2 Plus」はIPX5/IPX8、IP6Xに加えて、アメリカ国防総省の調達基準である「MIL規格(MIL-STD-810H)」にも準拠しているスマホです。MIL規格は防水や防塵に加え、高温での動作、耐振動など、様々な試験項目があります。arrows We2 PlusはそのMIL規格の23項目に準拠しているので、より頑丈で耐久性が優れているといえるでしょう。

さらに、メーカー独自の試験も実施していて、アルコール除菌・消毒やハンドソープでの洗浄にも対応しているので、衛生的にも安心できます。

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FCNTについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

arrows We2 Plus 特設サイト arrows We2 Plus 特設サイト

3. AQUOS wish4

SHARPが販売する「AQUOS wish4」もarrows We2 Plusと同様、IPX5/IPX8、IP6XのIP保護等級を備えています。また、「MIL-STD-810H」も18項目に準拠しており、こちらも独自のメーカー試験を実施しています。ハンドソープやアルコール除菌シートでのお手入れが可能です。

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6 まとめ

スマホはあくまでも「精密機器」です。どれだけ保護性能が高いスマホであっても、故障しないわけではありません。スマホを購入・使用する際は、取扱説明書などのスペック・基本仕様に加え、注意事項まで読み込みましょう。

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