MNPとは?電話番号そのままで乗り換える手順・費用・注意点を解説

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MNP(携帯電話番号ポータビリティ)は、電話番号を変えずに携帯会社を乗り換えられる仕組みです。番号変更の連絡や各種sサービスの登録変更の手間を減らしつつ、料金や乗り換え特典で有利になることもあります。

一方で、キャリアメールやポイント、割引、端末の対応可否など乗り換え前に確認すべき点もあり、手順を誤ると不通や再手続きが発生する可能性があります。

この記事では、MNPの基本からワンストップ方式、費用、注意点、よくある疑問までをまとめて解説します。

1 MNP(携帯電話番号ポータビリティ)とは?

MNPとは、今使っている電話番号をそのままに、別の携帯会社へ回線を移す仕組みです。電話番号は連絡先としてだけでなく、SMS認証や本人確認にも使われるため、番号を維持できる価値は年々大きくなっています。

MNPが完了すると、乗り換え元の回線は自動で解約になり、乗り換え先で新しい契約が始まります。乗り換え元で解約手続きをする必要はありません。先に自分で解約してしまうと電話番号が失効し、MNPができなくなるので注意してください。

MNPと新規契約・機種変更の違い

MNP・新規契約・機種変更の違いは、電話番号と携帯会社が変わるかどうかです。

手続き 電話番号 携帯会社 注意したいこと
MNP そのまま 変わる 乗り換え先で新しい契約が始まる
新規契約 新しい番号になる 変わる 連絡先の周知やSMS認証の登録変更が必要
機種変更 そのまま 変わらない 端末だけを替える。契約はそのまま続く

MNPでできること・できないこと

MNPでできることは、電話番号を継続したまま回線を切り替え、料金プランやサービス提供会社を見直すことです。乗り換え先の条件を満たせば、MNP向けの割引やポイント還元などキャンペーンの対象になることもあります。

一方で、MNPで引き継げるのは電話番号だけです。引き継げるもの・引き継げないものは次のとおりです。詳しくは「MNPのデメリット」で説明します。

項目 MNPで引き継げるか 補足
電話番号 引き継げる SMS認証や連絡先の変更はいらない
キャリアメール 引き継げない 有料のメール持ち運びサービスで使い続けられる
携帯会社のポイント 引き継げない場合がある 解約で失効することがある
家族割・セット割 引き継げない 残った家族の料金が上がることがある
キャリア決済 引き継げない 乗り換え前に別の支払い方法へ変える

2 MNPができる条件と対象サービス

MNPは誰でも無条件にできるわけではありません。

MNPの対象は、電話番号のある音声通話付きの契約です。データSIMやSMS SIMはMNPの対象になりません。

手続きには本人確認書類と支払い情報が必要です。

オンライン申し込みでは、書類に書かれた住所や氏名と、申し込み画面に入力した内容が一致していないと審査で止まります。建物名を省略した、番地の書き方が違う、旧姓のままになっているといった小さな違いでも差し戻される可能性があるため、書類を手元に置いて入力してください。
手続きの方法は、乗り換え元でMNP予約番号を取る従来の方法と、予約番号のいらないMNPワンストップの2つです。ワンストップを使えるのは、Webで申し込み、乗り換え元と乗り換え先の両方がワンストップに対応している場合です。

3 MNPのメリット

MNPのメリットについて紹介します。

電話番号を変えずに乗り換えられる

電話番号を変えずに乗り換えられる最大の利点は、周知の手間を減らせることです。番号が変わると、友人や取引先への連絡だけでなく、病院や学校、宅配サービスなど生活の連絡手段にも影響が出ます。
さらに重要なのは、電話番号が各種サービスの本人確認に使われている点です。SNS、ネット銀行、ECサイト、フリマアプリなどはSMS認証が前提になっていることが多く、番号が変わるとログインや再認証が必要になり、場合によっては利用制限の原因にもなります。

料金プランの選択肢が広がる

MNPは料金の最適化と相性が良い手段です。データ量、通話頻度、テザリング利用、海外利用などの実態に合わせて、キャリアや格安SIMも含めて選び直せます。
毎月の使用量に波がある人は、段階制の料金にするか、余ったデータを翌月に繰り越せるプランにすると無駄が出にくくなります。

キャンペーンや特典を利用できる

MNPでは、ポイント還元、月額割引、端末値引きなどの特典が用意されることがよくあります。特典の金額は、どこから申し込むかで変わります。オンライン限定、指定プランの契約が条件など、細かい決まりがついているのが一般的です。

見落としやすいのは、特典が即時値引きではなく、数か月後の還元だったり、受け取り手続きが必要だったりする点です。受け取り忘れは実質的な損失なので、いつ、どこで、何をすると受け取れるのかまで確認しましょう。

また、一定期間の利用が条件になっていて、すぐに解約すると特典が取り消される場合もあります。特典の金額だけで選ばず、条件を満たせるかを先に確かめましょう。

端末の下取り・割引を受けられることがある

MNPと同時に機種変更する場合、下取りや端末割引で負担を軽減できることがあります。特に端末価格が高い時期は、通信費よりも端末費の差が乗り換えの損得を左右することもあります。

ただし下取りは状態や付属品で査定が変わり、画面割れや水濡れ反応、動作不良があると減額されたり対象外になったりします。下取り前にデータ消去が必要なケースもあるため、バックアップと初期化手順をセットで考えておくとスムーズです。

返送キットの期限や、店頭に持ち込めるかどうかも会社ごとに違います。申し込み前に条件を読み、いくらで下取りされるかを確かめておきましょう。

4 MNPのデメリット

続いて、MNPのデメリットを解説します。

キャリアメールの引き継ぎに費用がかかる・使えないことがある

キャリアメールは、回線解約と同時に使えなくなるのが基本です。長年使っていると、各種サイトの連絡先やログインIDとして登録されていることが多く、放置するとパスワード再設定や本人確認ができなくなることがあります。
継続利用したい場合は、有料のメール持ち運びサービスを使う選択肢があります。ただし月額費用がかかり、申し込みタイミングを逃すと利用できない場合もあるため、手続き前に条件を確認しましょう。
乗り換え前に、よく使うサービスの登録メールをGmailなどのフリーメールへ変えておきましょう。携帯会社に関係ないメールアドレスにしておけば、次に乗り換えるときも困りません。

キャリアメール持ち運びについて詳しくはこちら!

ポイントや特典が失効することがある

携帯会社のポイントは、回線解約で失効する場合があります。失効の有無や引き継ぎ条件は会社やポイントの種類で異なるため、残高と失効条件の確認が先です。

引き継げない場合は、MNP前に使い切るのが基本です。支払い充当、買い物、アクセサリ購入など、使い道を決めてから動くと取りこぼしが減ります。

乗り換え元のキャンペーン特典がまだ付与されていない場合は、受け取ってから乗り換えるほうが確実です。

割引やキャリア決済が使えなくなることがある

家族割や光回線セット割は、回線数や同一名義など条件があり、1回線のMNPで割引が外れることがあります。結果として、乗り換えた本人は安くなっても、残った家族の料金が上がるケースがあるため注意が必要です。

キャリア決済をサブスクやアプリ課金に設定している場合、乗り換え後に決済が止まり、サービスが自動解約や利用停止になることがあります。乗り換え前にクレジットカードなど別の支払い方法へ変更しておきましょう。

支払い方法を変えたあとは、支払いの案内が届く先も確認しておきます。キャリアメール宛ての設定のままだと、乗り換えと同時に受け取れなくなります。

5 MNPワンストップとは

MNPワンストップは、乗り換え元でMNP予約番号を取らずに、乗り換え先のWebサイトで申し込むだけで手続きを進められる仕組みです。2023年5月に始まりました。

従来の予約番号を使う方法との違いは次のとおりです。

項目 予約番号を使う方法(従来) MNPワンストップ
MNP予約番号 乗り換え元で取る いらない
有効期限 発行日を含めて15日 気にしなくてよい
申し込み方法 Web・店頭 Webのみ
使える条件 原則どの会社でも使える 乗り換え元と乗り換え先の両方が対応している

MNPワンストップでの乗り換え手順

まず、乗り換え先のWebサイトで申し込みを始めます。手続きの途中で乗り換え元のサイトに移るので、マイページにログインし、解約についての重要事項を確認します。

確認が完了すると再び乗り換え先に戻り、申し込みを完了させます。その後、SIMカードまたはeSIMの案内を受け取り、端末へ設定します。

最後に回線切替を行うと、新しい回線が開通し、同時に旧回線は基本的に自動解約となります。開通後はAPN設定やプロファイル設定など初期設定を行い、通信できることを確認して利用開始です。

MNPワンストップが使えないケース

MNPワンストップは、事業者同士の対応状況によって使えない場合があります。非対応の組み合わせでは、従来どおり予約番号を取得する方式が必要です。
また、ワンストップはWeb申し込みだけが対象です。店頭や家電量販店のカウンターで申し込む場合は、予約番号が必要になります。法人契約や、乗り換え元の契約内容によっても使えない場合があります。
使える前提で進めて途中で止まると、予定していた開通日がずれやすくなります。申し込み前に、乗り換え元と乗り換え先の案内ページで方式を確認しておくのが確実です。

6 MNPにかかる費用と手数料

MNPでかかる主な費用は次のとおりです。

費用 支払う先 ポイント
契約事務手数料 乗り換え先 店舗とオンラインで金額が変わることがある
SIM発行手数料 乗り換え先 SIMカードかeSIMかで金額が違う場合がある
MNP転出手数料・解約金 乗り換え元 Webなら原則無料。例外は次の見出しで説明
端末代の残り 乗り換え元 乗り換え後も支払いが続く
端末返却プログラムの精算 乗り換え元 返却条件を満たさないと追加でかかる
メール持ち運びなどのオプション 乗り換え元 使い続ける間、月額料金がかかる

費用を見誤りやすいのは、月額料金の安さだけで判断してしまう点です。初月や数か月だけ安いキャンペーンと、初期費用や端末費を合算した実質負担を並べて比較すると、判断がブレにくくなります。

MNP転出手数料・解約金の扱い

MNP転出手数料は、2021年4月以降、Webで手続きすれば原則無料です。
電話や店舗では1,100円以下の手数料がかかる場合があります。解約金も多くのプランでなくなりましたが、古いプランでは例外もあるため、マイページや契約書面で確認しましょう。

乗り換え先の契約事務手数料は、店舗とオンラインで金額が変わることがあります。申し込み方法ごとの条件を見ておきましょう。

また、解約する月の料金が日割りになるか、オプション料金がいつまでかかるかも会社ごとに違います。一つひとつは小さな金額でも、重なれば思ったより高い請求になります。

乗り換え元の最後の請求と、乗り換え先の初回請求がいくらになるかを、申し込み前に足して確かめておくと安心です。

端末代の残債・分割払いの注意点

端末代を分割払いしている途中でも、MNPはできます。ただし残りの支払いは乗り換え後も続きます。

通信料が下がっても、端末代を払い終えるまでは毎月の出費があまり減らない点に注意してください。

端末返却プログラムを利用している場合は、返却期限や端末状態の条件を満たさないと追加負担が発生することがあります。

故障や破損があると想定以上の精算になるため、乗り換え前に条件を読み、端末状態を確認しましょう。

7 MNPの注意点

MNPをする際に気をつけるべき点もあります。

MNP予約番号の有効期限

MNP予約番号には有効期限があり、一般的に発行日を含めて15日です。期限内に乗り換え先で手続きを完了できないと、番号は使えなくなり再発行が必要になります。
注意したいのは、乗り換え先によっては、申し込み時に有効期限が一定の日数以上残っている必要があることです。たとえばIIJmioでは7日以上必要です。期限ぎりぎりの予約番号では受け付けてもらえません。
二度手間を避けるコツは、予約番号を取る順番です。先に乗り換え先の申し込み準備を終えてから取得すれば、期限内に手続きを終えられます。ワンストップが使える組み合わせなら、そもそも予約番号はいりません。

MNP予約番号について詳しくはこちら!

格安SIMへの乗り換え手順について詳しくはこちら!

回線切替のタイミングと不通時間

回線切替の作業中は、通話や通信が一時的に使えなくなることがあります。所要時間は申し込み方法や混雑状況、SIMかeSIMかでも変わります。
不通時間が困る人は、電話をあまり使わない時間帯に切替を行い、Wi-Fi環境も確保しておくと安心です。特にeSIM設定は通信が必要になる場面があるため、手順を読みながら進める余裕が重要です。
仕事用の連絡や二段階認証がある場合は、切替前に必要な認証を済ませる、代替連絡手段を用意するなど、短時間でも困らない状態を作ってから実施しましょう。

利用中のスマホが使えるか(SIMロック・対応バンド)

手持ちのスマホをそのまま使う場合は、SIMロックの有無を確認し、必要なら解除します。2021年10月以降に発売された端末は、原則としてSIMロックがかかっていません。ただしSIMロックがなくても、端末が乗り換え先の回線に合っていないと、通信が不安定になることがあります。

あわせて確認したいのが対応バンドです。画面の表示は同じ4Gや5Gでも、端末が対応していない周波数帯ではエリア内でもつながりにくくなることがあります。公式の動作確認端末一覧を確認するのが確実です。

動作確認が取れていない組み合わせでは、初期設定まではできても、通話が途切れたりデータ通信が遅くなったりすることがあります。

料金を下げるための乗り換えでも、電話やネットが不安定になっては意味がありません。端末が使えるかどうかの確認は、料金プランの比較より先に済ませてください。

SIMサイズ・eSIM対応を確認する

物理SIMを使う場合は、端末のSIMサイズに合うSIMが届くように選択します。現在の主流はnanoSIMですが、端末によって異なるため、申し込み前に確認が必要です。

eSIMを使う場合は、端末がeSIM対応かどうかに加え、設定手順を実施できる環境があるかも確認しましょう。QRコード読み取りやプロファイル設定など、案内に沿って作業できることが前提になります。

eSIMについて詳しくはこちら!

1つの端末で2つの回線を利用する、デュアルSIM運用をする場合は、物理SIMとeSIMの組み合わせ可否や、同時待ち受けの条件も端末ごとに差があります。乗り換え後の使い方まで想定して選ぶと失敗しにくいです。

デュアルSIMについて詳しくはこちら!

機種変更する場合のデータ移行

機種変更を伴う場合、電話番号は引き継げても、写真や連絡先、アプリのデータが自動でそろうとは限りません。まずバックアップを取り、その後に移行し、最後にログイン確認まで行うのが基本の順番です。

特に注意したいのは、LINEや銀行アプリ、決済アプリなど、引き継ぎ手順が個別に用意されているものです。端末を初期化したり処分したりすると復旧が難しくなるため、移行完了までは旧端末を手元に残しましょう。

二段階認証を使っているサービスは、認証用の電話番号や認証アプリの移行が必要になる場合があります。MNPと機種変更を同時に行うと、回線の切り替えとデータ移行が重なり、どちらが原因で使えないのか切り分けにくくなります。移行が必要なサービスを事前に書き出しておくと、抜けを防げます。

iPhoneからAndroidへのデータ移行について詳しくはこちら!

AndroidからiPhoneへのデータ移行について詳しくはこちら!

8 MNPに関するよくある質問

自分以外の名義でMNPできる?

乗り換え元と乗り換え先で、契約者の名義が同じであることが原則です。Webで申し込む場合は、同じ名義でしか受け付けない会社が多くあります。

ただし、例外もあります。IIJmioは新規申し込みに限り、名義が違う電話番号でもWebで乗り換えられます。この場合、乗り換えた番号の名義は契約者に変わります。

ほかにも、店頭に限って、乗り換えと名義変更を同時に受け付ける会社があります。

確実に進めたいなら、乗り換え元で名義変更を済ませてからMNPしましょう。条件は会社や申し込み方法で変わるため、乗り換え元と乗り換え先の両方で確認してください。

MNP予約番号の有効期限が切れたら?

有効期限が切れても、罰金などのペナルティはありません。ただし期限切れの予約番号は使えないため、取り直して申し込みをやり直します。再取得に手数料はかからないのが一般的ですが、取り直すたびに番号が変わるので、古い番号を入力しないよう注意してください。

MNPせずに解約して乗り換えるとどうなる?

先に解約してしまうと、その電話番号は失効し、あとから復活させることはできません。乗り換え先では新規契約となり、新しい番号が付与されます。番号を残したいなら、解約ではなくMNPで手続きを完了させてください。

SIMのみの乗り換えでデータは消える?

SIMのみの乗り換えで、端末内の写真や連絡先などが消えることは基本的にありません。データはSIMではなく端末本体やクラウドに保存されているためです。

ただし、キャリアメールやキャリア提供アプリ、キャリア決済など、通信会社にひもづくサービスは使えなくなる場合があります。ログインIDにキャリアメールを使っていると影響が出やすいです。

未払いがあるとMNPできる?

料金の未払いがある場合は、手続きができなかったり、審査に影響したりすることがあります。未払いが続くと回線そのものが利用停止になり、MNPの手続きも進められなくなります。乗り換えを考えているなら、まず未払い分を精算してください。

9 まとめ

乗り換えるかどうかを迷ったら、確認する順番を決めると判断しやすくなります。まず手持ちの端末がそのまま使えるか、次にキャリアメールやキャリア決済の代わりを用意できるか、最後に家族全体の支払いがいくらになるかです。

ワンストップが使える組み合わせなら、予約番号なしで手続きできます。使えない場合は予約番号を取り、発行日を含めて15日の期限内に申し込みます。必要な準備を終えてから回線切替をすれば、不通や手続きのやり直しは避けられます。